プラスワン薬膳の提案

12月 11, 2018 in プラスワン薬膳

【要約】
まず大切なのは、「自分のからだに役立つものだ」という意識を持つこと。
つまり、あなたの意識を“プラスワン”することから薬膳をはじめてみませんか?

薬膳ということばは広く知られるようになりましたが、その捉え方は人それぞれのようです。「薬を使った料理のことで、おいしくないもの」という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
薬膳の伝統的な概念としては、『病を持っている人を対象とした食事療法の一種で、食材と中薬を用いて作った病を治すための料理』を指すのですが、現代では、健康維持や病気の予防・治療効果などの作用がある食事は、すべて薬膳と呼ばれるようになりました。つまり、薬膳という言葉を広い意味で捉えるならば、中薬を使わなくても薬膳といえます。病気を予防したり、健康増進を図ったりするために作られたものであれば、家庭料理も一種の薬膳なのです。
※本来の薬膳は「中医学の知識を用いて」という前提で作る膳食を指しますが、ここでは詳しい知識を持っていなくても、「○○(食材)は××(臓腑や症状、病気など)によい」と知って取り入れるだけで、十分薬膳だと考えます。

「どうせなら本格的に、中薬を使ってみたい!」と考える人もいらっしゃることでしょう。“中薬”というと薬のイメージが強くなりますが、実は、身近なものも数多く含まれています。中薬の生姜(しょうきょう)は、その漢字からもわかる通り生姜(しょうが)のことですし、山薬(さんやく)という中薬は山芋を乾燥させたものです。中薬と比べると効果は少々劣りますが、同じ素材ですから、生姜や山芋にも同様の効果があることは間違いありません。気合を入れてがんばらなくても、薬膳はできるものなのです。

病気を治すために薬膳を活用する場合は、好きな食べ物を我慢しなければならない、という必要が出てくるかもしれません。しかし、病気の予防や健康維持のための薬膳なら、苦しい・つらい思いをしてまで我慢しなくてもいいのではないか。私はそう考えています。国際薬膳師だけでなく、産業カウンセラーやNLPプラクティショナーの資格も持ち合わせている私は、からだの健康とこころの健康はどちらも同じくらい大切だと感じているからです。
からだの健康のために苦しい思いで必死に取り組むのは、決して悪いことではありません。しかし、我慢が度を過ぎると、こころを傷めてしまうでしょう。それでは、本末転倒だと思うのです。
病気の予防や健康維持のための薬膳なら、「からだにいいものを食べている!」という意識を持つだけでも効果があります。だから、からだもこころも大切にして、いい気持ちで取り組める範囲のお手軽な手法として、“プラスワン薬膳”を考えました。
プラスワンするのは、中薬ではありません。「からだにいいものを食べている!」という、あなたの気持ち・意識です。中医薬膳学の基本的な考え方や食材の効果を知り、いつもの料理にプラスワンしましょう!